Mのメモ

ポスドクの論文メモ。神経科学関連のツールに触れることが多め。

Blue Brain Project|脳回路の構成的理解に求められる、最低限の『リアルさ』とは?

Reconstrucion and Simulation of Neocortical Microcircuitry

Henry Markram, Eilif Muller, Srikanth Ramaswamy, Michael W. Reimann, …., Javier DeFelipe, Sean L. Hill, Idan Segev, Felix Schürmann et al.,*1

Cell (2015), 163(2), 456–492

 

 何を以て脳を理解したとするか。答えは十人十色でしょうが、一つの回答として、『少数のパラメーターを用いた数式で脳の挙動を近似的に再現できたなら』という構成的なアプローチが挙げられます。これを達成するためには、本質的なパラメーターの洞察だけでなく、その数式に用いられる定数の値を実験的に求めることが必要になってきます。例えば今から60 年以上前、Hodgikin とHuxley は単一ニューロンのレベルでこれに近いことを成し遂げました。ただ、単一ニューロンの挙動だけから脳の機能について示唆されることは限られています。現代の神経科学に求められるているのはより高次のレベル、つまり複数ニューロンが結合することよって作られる『回路』レベルでの再構成です。

 

 しかし、これまでに作られてきた回路のモデルは過度の捨象を含むためか、実際の脳回路の挙動のほんの一部の側面しか模倣できていません。つまり、回路レベルで脳の挙動を再現するために必要なパラメーターは、現状存在するモデルで用いられているより多いということが予想されます。そこで2005 年、Henry Markram をリーダーに、実際の脳から網羅的に形態的・電気生理学的な記録を取ることで様々なパラメーターを実際の脳に近づけ、よりリアルな脳をスーパーコンピューター上で再現するThe Blue Brain Project (BBP) が立ち上がりました。今回紹介する論文は、BBP が10 年めにして打ち立てた金字塔です。

 

 本記事では、BBP のモデルがどのような実験データと仮定を基にして、実際の脳のどの側面を忠実に、また逆にどの側面を捨象して作られているのかを把握することを目的とします。

 

如何にしてBBPのモデルは作られたか

 P14 Wistarラット(♂)のSaggital急性スライスのHind Limb S1から、Whole Cellパッチクランプ記録を行っています。その例数なんと14000例(形態の同定に用いることができるほど綺麗に再構築できたのはそのうち2052例で、発火特性の同定に用いたのは3900例。発火特性と形態の対応づけに用いられたのは511例)。このように、形態と電気生理学的な特徴を執拗に集めたのがポイントの一つです。

 

 目的は、回路レベルで脳を再構成することです。そのためには、回路の中にどんな種類の回路素子=ニューロンが、それぞれどの場所に程度の割合で存在し、各種類同士でどのような結合を形成しているのか、という情報を知る必要があります(形態的な再構成)。そして、それぞれの細胞種・結合のダイナミックな挙動を数式によって記述し、シミュレーション可能なものとする必要があります(生理的な再構成)。

 

形態的な再構成

 ニューロンは形態や発火特性、神経伝達物質や発現遺伝子などがそれぞれ異なり、多様な個性を持ちます。しかしながら、それらをどのように分けるのかというコンセンサスや、分けられたとして、それぞれのニューロンがどこにどれだけ存在するのかといった情報はありませんでした。今回Markramらはニューロンの種類を規定するために『ニューロンが位置する層』と『形態』、そして『発火特性』をパラメーターとして用いました。形態と位置する層で55種、発火特性で11種に分け、更に形態―発火特性の組み合わせで207種(42×10+13×1=453の可能な組み合わせの中から)に分けられるそうです(最後にまとめます)。そして大量記録と免疫染色による層の同定を行うことによって、それぞれのニューロンがどの層にどれだけの割合で存在するのかまで求めています。このようにして求めた各細胞種のニューロンを存在比ごとに配置することで、今回再構成する回路の下地を作っています。ここから更に回路を構成するには、それぞれの細胞がどのような結合を形成しているのかを知る必要があります。

 

 結合性を評価するためには、普通の発想で行けば、大量に多重パッチクランプ記録をすれば良いとなるでしょう。しかし、この論文では多重パッチクランプ記録を用いていません207 × 207×分布を推定するのに必要な100~1000=42849000 結合分の記録が必要?)。その代わりに、これまで執拗に調べてきた細胞種と存在比、および他の文献から得た各細胞種のブートン数、そして既知の結合ルールのいくつかを仮定することによって、シナプスを推測するアルゴリズムを開発しています。この発想の転換が、今回のモデルの非凡な所だと思います。その結合ルールとは、以下の通り。

 

  1.  A Tabula-Rasa Rule:軸索と樹状突起が近接した時はいつも"Potential Synapse" を形成する。興奮性シナプスについては< 2.5 μm、抑制性シナプスについては < 0.5 μm を基準とする。
  2. The Synapse Location Rule:興奮性細胞は興奮性細胞の細胞体にシナプスを作らない。また、シャンデリア細胞だけはAIS 上にもシナプスを作ることができる。
  3. The Fractional Conversion Rule: 1,2 に基づいてブートン密度を計算すると、既知のブートン密度の約18 倍にもなってしまう。そのため、Potential Synapse の一部しか実際のシナプスにならない。
  4. The Multi-Synapse Rule:シナプス数の調整には色々な方法が考えられるが、単純にランダムに間引くと、殆どの細胞間でのシナプス結合が一個だけになってしまう。しかし、細胞間のシナプスは通常複数あることが実験的に知られている。そのため、ある程度まではランダムに間引き(General Pruning)、その後複数シナプス結合を形成している細胞だけ残していくという方法を取る(Multi-Synapse Pruning)。
  5. The Plasticity Reserve Rule:全てのシナプスが機能的であったら、細胞間でrewiring が起こらなくなる。そのため、シナプスの約半分は機能的ではなく、過疎塑性が起こったときに動員されるサイレントなシナプスとして扱う(Plasticity Pruning)。

 

 

 これらの結合ルールを用いることの妥当性の評価は、既にブートン間距離, シナプス結合, 結合確率が分布まで調べられているL5錐体細胞のデータにフィッティングしていくことで行っています。詳細はこの論文のコンパニオンペーパー(Reimann, Markram et al., Front. Comput. Neurosci., 2015) に載っています。

 

生理的な再構成

 さて、形態的な再構成はこれでできたので、次に生理的な特徴を数式によって近似していく作業に移っています。

 

 まず、各細胞種について、電流注入をした際の発火パターンを、Hodgkin-Huxley方程式の修正版によって近似しています*2。近似には多目的最適化法を用いており、その際に用いる5種類の誤差関数は発火トレースから取っています*3

 

 そして、各細胞種間で形成されるシナプスの種類(rise/decay の速度定数、増強/ 減弱/Pseudo-Linearのいずれか)ついても数式で近似しようとしています。とはいえ207×207種のシナプス結合の生理学データはほとんどなく、実際に形態まで含めた報告は9種にとどまるそうです。そこで既知のデータからシナプス結合については以下の仮定をおくことによって求めています。

 

  1. 興奮性ー興奮性細胞の結合は常に減弱シナプス
  2. 興奮性ー抑制性細胞の結合も主に減弱シナプス。ただし、興奮性ーMartinotti, Bitufted インターニューロンの結合は増強シナプス
  3. 抑制性ニューロンによる増強は興奮性ニューロンによる増強の約2倍強い。
  4. あるme-type 同士のs-type は全て同じ。
  5. 速度定数未知のs-type については、プレ/ ポストが興奮性/ 抑制性のいずれかという区分に基づき、その中で最も標準的なs-typeに属する

 

 

 また、各シナプスコンダクタンスについては、実際報告されているいくつかのデータを用いてシミュレーションしてみるとシナプス後電位が実際のものより低かったので、既知のデータの方が間違っているものとしています(えっ…)。そして、前述のアルゴリズムを用いることにって推測されたシナプス数から、シナプス後電位を再現するようにコンダクタンスを新たに算出しています。なお、シナプスの確率的な挙動は、量子仮説を前提とした古典的なモデルによって近似されています。ただしこのモデルでは、シナプス小胞の枯渇や、自発的なシナプス小胞放出も想定されています。

 

 とまあ、こんな感じで出来上がった回路をスーパーコンピューター上で動かして、実際のスライスの活動やvivoでの活動と類似することで妥当性を主張しています*4。ここについての詳細は割愛します*5

 

BBPが忠実に再現した脳の側面と捨象した脳の側面のまとめ

 今回のモデルが忠実に再現している点(推測を含む):

 

今回のモデルが捨象している点:

  • 長期可塑性
  • 電気シナプスの存在
  • 皮質間投射をはじめとした長距離の投射
  • 神経調節物質
  • 様々な物質への受容体の存在
  • グリア、血管
  • 遺伝子を巻き込んだ諸々

 

 神経科学バブルの現代、様々なジャーナルで多様な統計学有意差が報告されていますが、その中のどれが生物に取って本当に『有意』であるかを調べるためには、確率分布の他にも別の物差しが必要です。構成的アプローチは、脳の挙動を再現できる最低限のパラメーターが何であるのか、ということを基準に、この検討を行えるとしています。筆者らは今回再構成した回路が実際の脳回路の多様な側面を模倣したことから、今回集めたデータセットと仮定したルールこそが生物に取って有意なものであると主張してます。また、別々の標本から集められた大量のデータから、このような構成的アプローチを行うのが原理的に可能であることが示されたという主張もしています。ちなみに、今回用いられたデータやプログラムはweb サイト, The Neocortical Microcircuitry Collaboration Portalで入手可能であり、今後も様々なラボの貢献によって精緻化されていくことが期待されます。

 

 しかし、このモデルはP14 のラット(♂)の一部の微小回路のいわばスナップショットにすぎず、発達的な観点、可塑性を度外視していることは注意しなければいけません。また、Up/Down State といった、脳の重要な挙動を模倣出来ていません。もちろん、筆者らはこのモデルで再現できていないことにも自覚的であり、これらの問題については、確かに今回の回路は完璧ではないが、少なくとも、今後このようなアプローチの研究が続いていった時の参照として有効であると述べています。

 

 BBP は今後の神経科学史においてどのような意味をもつでしょうか。今回の研究は大量のデータを取るためにヨーロッパの様々なラボが協調する形で行われましたが、アメリカのBRAIN Initiative*6 でも、協調した研究への動き(Brain Observatories)は見られています。もし、データの共有方法が発達して、このようなビッグサイエンスが主流になっていく時代に突入していくのであれば、BBP はその最初の一歩として捉えられることになるのかもしれません。我々のように極東で研究をしていく零細企業は、鶏口となれども牛後になるべきでないと思います。ビッグサイエンスをやっている皆さんが何を前提としていて、何を見落としているのかを詳細に知り、どうすれば風穴を開けられるのか、しっかりと考えなければなぁと思います。

 

 最後に、形態による55種類の分類と、電気生理学的特徴による11種類の分類について載っけておきます。なんかの参考になれば。

 

形態による55種類の分類

L1 の抑制性ニューロンのm-type

L1 のインターニューロンはL2-6 のものとは区別される。全6 種。

  • Neurogliaform Cells with Dense Axonal Arbors(NGC-DA):普通のNGC とおなじ。
  • Neurogliaform Cells with Sparse Axonal Arbors(NGC-SA):普通のNGC に比べると軸索がスパース。また、樹状突起は水平により広がる。
  • Horizontal Axon Cells(HAC):水平に軸索を伸ばす。
  • Descending Axon Cells(DAC):L4,5 ときに6 まで伸びる、下降する軸索を持つ。また長めの分岐を持つ。
  • Large Axon Cells(LAC):HAC に似ているがよく見るとAIS は短くより垂直に出ている。長い軸索から多数の短い分岐を持つ。
  • Small Axon Cells(SAC):軸索の分岐が少ない。

 

L2-6 の抑制性ニューロンのm-type

L2-6 に存在するインターニューロンの性質は殆ど同じ。以下の9 種×4層の36 種。

  • Large Basket Cell(LBC):Multipolar, または二つのTuft を持ち、ブートン密度の低い長くて直線的なAIS と両方向に分かれる長い軸索を持つ。L2/3 のLBC は通常下に向かう軸索を持ち、L5 やL6 のLBC は上に向かう軸索を持つ。
  • Nest Basket Cell(NBC):Multipolar, または二つのTuft を持ち、長い軸索を持たない
  • Small Basket Cell(SBC):Multipolar, または二つのTuft を持つ。複数の短いAIS を持ち、軸索はブートン密度が高く、ポストの細胞体近くにクラスター化したブートンを形成する。
  • Chandelier Cell(ChC):Multipolar, または二つのTuft を持つ。軸索終末の近傍で軸索を分岐させ、シャンデリア様にブートンを作る。ポストのAIS の近傍にシナプスを作るのでAxo-Axonic Cell とも。
  • Martinotti Cells(MC):Multipolar, または二つのTuft を持つ。L2/3-L5 のMCは上昇する軸索を持ち、細胞体の近くとL1 で分岐する(L6 のMC は細胞体の近くとL2/3)。二つ目の分岐からできる軸索は密な分岐を形成する。なお、このインターニューロンはスパインを持つ。
  • Double Bouquet Cell(DBC:Multipolar, または二つのTuft を持つ。馬の尾のようなAxonal Bundle を持つ。Axonal Bundle は小さい分岐をいくつも持って上昇しているものか、分岐せず下降しているもの。L2/3 は下降するBundle を持ちL5,6 は上昇するものを持つ。
  • Bipolar Cell(BP):Bipolar の樹状突起を持つ。軸索は狭い範囲で垂直に並んでいる。
  • Bitufted Cell(BTC): 二つのTuft を持つ。軸索は長く、Translaminar, またTranscolumner に渡ったクラスターを形成する。
  • Neurogliaform Cell(NGC:Multipolar の樹状突起を持つ。細胞体の周りに小さいが密度の高い軸索を形成する。

 

L2-6 の興奮性ニューロンのm-type

層ごとに分類。全部で13 種。他領域への投射による区別は行っていない。

  • L2/3:全てPyramidal Cell(L2PC)
  • L4:3種類。
  1. tufted Pyramidal Cell(L4PC):L1 にはいかないまでも小さいTuft がApical Dendrite についている
  1. non-tufted Pyramidal Cell , or Star Pyramidal Cell(L4SP):Tuft のない小さいApical Dendrite を持っている
  1. Spiny Stellate Cell(L4SS):数個の分岐を持つApical Dendrite がBasalDendrite と同程度の長さで伸びている
  • L5:4種類。
  1. Thick-Tufted Pyramidal Cell 1(L5TTPC1):遠位で分岐する巨大なTuftを持つ、太いApical Dendrite。
  1. Thick-Tufted Pyramidal Cell 2(L5TTPC2):近位で分岐する巨大なTuftを持つ、太いApical Dendrite。Tuft は更に分かれてL1 まで届く
  1. Small Tufted Pyramidal Cell(L5STPC):小さいTuft を持つ、細いApicalDendrite を持っている
  1. Untufted Pyramical Cell(L5UTPC):Tuft を持たない細いApical Dendriteを持っている。比較的細胞体が大きい
  • L6:5種類。
  1. Tufted Pyramidal Cell for Layer 1(L6TPC_L1):L1 にTuft があるApical Dendrite を持つ
  1. Tufted Pyramidal Cell for Layer 4(L6TPC_L4):L4 にTuft があるApical Dendrite を持つ
  1. Untufted Pyramidal Cell(L6UTPC):Tuft を持たないApical Dendrite を持つ
  1. Inverted Pyramidal Cell(L6IPC):Basal Dendrite が大きく、分岐も多い
  2. Bipolar Pyramidal Cell(L6BPC):Tuft が無い/ あっても少ない、L1 まで伸びるApical Dendrite と大きなBasal Dendrite を持つ

 

 

電気生理による11種類の分類

各用語の意味は以下の通り。分類は二段階。まずcontinuous, burst, delay のいずれかに分け、Accomondating, Irregular, Stutter, Adapting に分ける。

  • continuous:電流注入開始直後としばらく経った後で発火の様子に変化が無い性質
  • burst:電流注入直後にバースト発火する性質
  • delay:電流注入開始後しばらくしないと発火が見られない性質

 

  • Accomondating:スパイクのAmplitude が徐々に落ちていく性質
  • Irregular:Interspike Interval(ISI)の分布が著しく広い性質
  • Stutter:発火する時期としない時期が交互に現れる性質
  • Adapting:ISI が徐々に広がっていく性質

 

略語は以下の通り。1-10 はインターニューロン。11 は錐体細胞のみ。

  1. cAC(continuous Accomondating)
  2. bAC(bursting Accomondating)
  3. cIR(continuous Irregular)
  4. bIR(burst Irregular)
  5. cNAC(continuous Non-Accomondating)
  6. bNAC(burst Non-Accomondating)
  7. dNAC(delayed Non-Accomondating)
  8. cSTUT(continuous Stutter)
  9. bSTUT(busrting Stutter)
  10. dSTUT(delayed Stutter)
  11. cAD(continuous Adapting)

 

 

*1:最初の4名がCo-Firstで最後の4名がCo-Senior。コレスポはMarkram. 全部挙げると、、Henry Markram, Eilif Muller, Srikanth Ramaswamy, Michael W. Reimann, Marwan Abdellah, Carlos Aguado Sanchez, Anastasia Ailamaki, Lidia Alonso-Nanclares, Nicolas Antille, Selim Arsever, Guy Antoine Atenekeng Kahou, Thomas K. Berger, Ahmet Bilgili, Nenad Buncic, Athanassia Chalimourda, Giuseppe Chindemi, Jean-Denis Courcol, Fabien Delalondre, Vincent Delattre, Shaul Druckmann, Raphael Dumusc, James Dynes, Stefan Eilemann, Eyal Gal, Michael Emiel Gevaert, Jean-Pierre Ghobril, Albert Gidon, Joe W. Graham, Anirudh Gupta, Valentin Haenel, Etay Hay, Thomas Heinis, Juan B. Hernando, Michael Hines, Lida Kanari, Daniel Keller, John Kenyon, Georges Khazen, Yihwa Kim, James G. King, Zoltan Kisvarday, Pramod Kumbhar, Sébastien Lasserre, Jean-Vincent Le Bé, Bruno R.C. Magalhães, Angel Merchán-Pérez, Julie Meystre, Benjamin Roy Morrice, Jeffrey Muller, Alberto Muñoz-Céspedes, Shruti Muralidhar, Keerthan Muthurasa, Daniel Nachbaur, Taylor H. Newton, Max Nolte, Aleksandr Ovcharenko, Juan Palacios, Luis Pastor, Rodrigo Perin, Rajnish Ranjan, Imad Riachi, José-Rodrigo Rodríguez, Juan Luis Riquelme, Christian Rössert, Konstantinos Sfyrakis, Ying Shi, Julian C. Shillcock, Gilad Silberberg, Ricardo Silva, Farhan Tauheed, Martin Telefont, Maria Toledo-Rodriguez, Thomas Tränkler, Werner Van Geit, Jafet Villafranca Díaz, Richard Walker, Yun Wang, Stefano M. Zaninetta, Javier DeFelipe, Sean L. Hill, Idan Segev, Felix Schürmann

*2:3種でなく13種のチャネルをもち、カルシウム動態まで考慮。活性化/不活性化パラメーターとその次数、それぞれの速度定数は既知。変化しうるのは最大コンダクタンスだけ。

*3:多目的最適化法:Multi-objective optimization, MOO(Druckmann, Segev et al., Front. Neurosci., 2007)。簡単に言うと多数のパラメーターの誤差の総計が尤も少ないモデルを持ってくるための方法。ここで変化させているのは各HH方程式の各チャネルの最大コンダクタンス。

*4:この回路モデルは実際の回路の特徴を捨象しているとは言え、それでも活動を再現するには膨大な計算量が必要であり、そのためにはスパコンを必要とします。ヒトゲノム計画は誰もが簡単にアクセスできる、すぐ使えるツールを提供したが、現状ではこの回路モデルそのものは、wet の生物系のエンドユーザーが手を出すには敷居が高いのかもしれません

*5:もし詳細を知りたい方がいらっしゃいましたらコメントにて、またはtak_miyawaki@twitterまでご連絡をいただけましたらラボ内のジャーナルクラブ用に作った資料を共有いたします

*6:Brain Research through Advancing Innovative Neurotechnologies Initiative. 略語なので大文字で書くのが正しい。山形さん、ご指摘いただきありがとうございます!