NeuroTrace 500/525によってペリサイトをin vivo標識できる
A fluoro-Nissl dye identifies pericytes as distinct vascular mural cells during in vivo brain imaging
Eyiyemisi C Damisah, Robert A Hill, Lei Tong, Katie N Murray & Jaime Grutzendler
Nature Neuroscience, 2017, AOP, May 15
血液脳関門は様々な細胞種からなります。その中の一つ、ペリサイトをin vivoで標識できるようになったよ、というお話。使っているのは、固定後の標本ではニューロンを特異的に染色すると言われているNeuroTrace 500/525。主要な結果としては以下の通り。
- NeuroTrace 500/525をin vivoで局所投与すると、血管(Texas Red Dextran静注)に隣接した、ペリサイトっぽいヤツらが染まる。こいつらはSR101で染まらないからアストロサイトではない(Fig. 1)。
- このポピュレーションはPdgfrb-cre::R26-Cag-TdTomato(ペリサイトと平滑筋にtdtomatoを発現)の一部を為す(Fig. 2)
- このポピュレーションはSMA-mCherry(平滑筋)とはオーバーラップしない(Fig. 5)
ちなみに、他のNeuroTrace類縁体では染められないらしいです。何故ペリサイトが染まるのかは不明ですが、何かしら特殊な取り込み機構があるんだろうとのディスカッションでした。色素で染められるようになったから色んな遺伝子改変マウスと組み合わせたりできて良いよね、だそうな。