Topological Engineering - チャネルロドプシンを膜に対して逆向きに挿入できる&逆向きに挿入されたオプシンは新たな性質を持つ
Expanding the Optogenetics Toolkit by Topological Inversion of Rhodopsins
Cell, 175, 4, 1131-1140.e11
Brown J, Behnam R, Coddington L, Tervo DGR, Martin K, Proskurin M, Kuleshova E, Park J, Phillips J, Bergs ACF, Gottschalk A, Dudman JT, Karpova AY
融合したタンパク質は、Neurexin 1Bの膜貫通ドメインに、furinプロテアーゼで分解されなくなる配列を付加したものだそうです。他にも、Synaptobrevinの膜貫通ドメインや、ハエの嗅覚受容体OR 59D.1のN末端配列の一部でも同様にチャネルを逆に挿入できることを示しています。このような改変を筆者らはTopological InversionまたはTopological Engineeringと呼んでいます。
これだけでも驚きなのですが、Fig. 2、つまり逆向きに挿入された光遺伝学ツールが新たな性質を持つのも意外です。本論文で見られているのは以下の2つ。
- 逆向きにした CsChrimson の場合|逆転電位とイオン選択性が変化
- 逆向きにした ChR2 E123T/T159C の場合|至適波長がレッドシフトした非選択的カチオンポンプになる(FLInChRと呼ぶ)
Karpova, ツール作りのラボじゃないのに、rAAV2-retroに続いて、とても面白いモノを出してきました。複数の融合配列がタンパク質を逆にできること、そして複数のオプシンが逆になり、一部は新たな性質を持つようになることから、Topological Engineeringというのは応用範囲が広そうなタンパク質改変のアプローチであることを示唆しています。