Mのメモ

神経科学を専攻する大学院生の論文メモ。誤り等あればご指摘頂けますと幸いです。

第二世代CUBICでがん転移したマウスを観察する

Whole-Body Profiling of Cancer Metastasis with Single-Cell Resolution

Kubota SI, Takahashi K, Nishida J, Morishita Y, Ehata S, Tainaka K, Miyazono K, Ueda HR
Cell Rep. 2017 Jul 5;20(1):236-250

全身透明化によってがんの全身転移を1細胞の解像度で観察した仕事です。内容はプレスリリースにまとまっているのでそちらを参考にしてください(ぇ
ttp://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/admin/release_20170706.pdf

個人的に注目したいのは以下の2点です。

■新しい透明化手法、CUBIC-L/R
しれっと新しい透明化手法を開発・利用しています。脱脂用の試薬をCUBIC-L, 屈折率調節用の試薬をCUBIC-Rと名付けています。組成は以下の通り。

脱脂:10% Triton-X, 10% N-butyldiethanolamine(ちなみにもう尿素は使っていない)
屈折率調節:45% antipyrine, 30% nicotineamide(屈折率1.52, 従来は1.49)

5日で脱脂、3日で屈折率調節。脱脂が速いですね。早速自分でも試してみました。CUBIC-Lは、確かに脱脂が速い。更に、SDSと異なり、完全に脱脂を行ったあとでも、組織の機械的強度は保たれています。ただし、組織はかなり膨潤します。CUBIC-Rは、溶液の粘性は低く、若干黄色味がかっています。スクロースを用いていたCUBIC-2では組織が若歪んでしまっていた印象がありますが、こちらの方が組織が綺麗なような(浸透圧の問題)?

■血管染色
α-SMA-FITCを使っています。糖鎖に結合するレクチンは基本的には透明化に弱いので、動脈だけを染めている模様。自分の血管染色法を紹介したいところです。笑